vol.06 陸前高田 : 出会った人たち
2015 年 10 月 28 日
故郷のために、ビジネスを創出したいと考える三人
●ひころいちファームの村上さん
村上さんは、小麦と比べて製造が難しいと言われる米粉パスタをつくっています。
実は、米どころでもある陸前高田。
震災後、陸前高田が震災から立ち上がるきっかけを探していた村上さんは、
「地元のお米をもっと食べて貰いたい」そんな思いから、米粉パスタの開発に着手しました。
「お米を食べる人は少なくなっていると言われてるけど、パスタやラーメンなど麺類の需要は髙い。
ベトナムには「フォー」や「ライスペーパー」とか色んな食べ方があるからね。」
震災後に誕生した「米粉パスタ」。
陸前高田から、お米の新しい活用法をこれからも模索、発信していきます。
●一松商店の菅野さん
全国的にも有名な「草加せんべい」の技術を継承した菅野さん。
一松商店の手焼きせんべいは、私たち「(株)北海道アルバイト情報社」がお客さまにお渡しする
お歳暮にも使わせて頂きました。震災当時大学4年生だった菅野さんは、被災した故郷の為Uターンを決意。
焼き器1大から始められる、手焼きせんべい店を始める事にしたそうです。
いつの日か陸前高田の銘菓と呼ばれる日を目指し、一枚一枚、心を込めて丁寧に焼き上げています。
「おかげさまで、たくさんの方からご支持はいただいておりますが、そこに甘んじることなく、もっともっと喜んでもらえる新しい商品開発にも取り組みたいです。ご来店されたお客様がおせんべいづくりを体験できるようなお店もつくりたいですね。」
地元の産業が育っていき、そこで働く人が増えていこと。菅野さんの夢は始まったばかりです。
●八木澤商店の河野さん
河野さんは地元では200年余り続く醤油・味噌を製造する老舗企業の9代目。
地元の若手経営者のために勉強会を主催するなど、陸前高田の多くの若手経営者に頼られる存在です。
ひころいちファームの村上さんも一松商店の菅野さんも、河野さんからは多くのアドバイスを貰ったと言います。
「もともと陸前高田の中小企業には助け合い支え合う風土があったんです。
だから若手の米粉のパスタもおせんべいも、原材料はお米。なによりもお米には醤油があうんですよ。笑
お米を使った商品の需要が伸びれば、付随する産業も伸びていくことになる。先輩経営者としては地元を盛り上げていく新しい仲間は大歓迎です。」
自分の会社だけではなく、手を取り合い、時には手を引っ張りながら、陸前高田の復興を目指すその姿は、
陸前高田の若き起業家たちにとって、頼りになるお兄さんのようでした。
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