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小冊子ことづて vol.06 陸前高田 : 出会った人たち

社会福祉協議会臨時職員 阿部裕美さん

生まれも育ちも陸前高田の阿部さんは
2011年3月の震災で、それまでご主人と一緒に切り盛りしていた飲食店を失いました。
ご主人は震災後、陸前高田を離れ単身赴任で仕事をしています。
当初はご主人と一緒に赴任先に行く事を考えましたが
「地元を離れず、できる事をやりたい」という強い想いから
陸前高田に残り故郷のために奮闘しています。
現在は社会福祉協議会に所属し、震災で家を失った人々が多く暮らす地域で
コミュニティスペースの運営に携わっている阿部さん。
「何もかもがなくなった状態でみんなで協力して生きていかなければならない。
誰かと話をして、新たな繋がりをつくる事が、気持ちを整理するきっかけになるんです。」
阿部さん自身も震災でご両親を亡くし、自分のお店や思い出の場所が失われた事に
茫然自失の日々を送っていましたが、地元の方・仕事を通して出会った方々と話す事で
悲しみや辛さを共有する事でき、前を向けるようになったそうです。
そんな経験が活かせるという現在の仕事を見つけた時は、「運命だと思った」と
阿部さんは笑います。ただ、まだまだ取り組むべき課題はたくさんあるそう。
「復興に向けて作業が進む、以前とは違う町並みを見て
“復興順調そうだね!” “町、できてきたね!” と声をかけられる事も増えました。
でも私たちは、ハード面だけではなく、ソフト面の復興への道のりはまだまだ険しいと実感してます。だからこそ、気持ちの面でもみんなが寄り添って繋がっていく事が、大切だと思うんです。
もちろん、中には新たな一歩が踏み出せない方や、コミュニケーションを取る事が苦手な方もたくさんいます。そういった方々にも、周りと繋がり、会話をする事の大切さを伝えていく手段を今は考えているところです。」
そう語る阿部さんの強い眼差しの先に復興へ向かう熱い想いを感じました。