出会い
2018 年 12 月 07 日
ボランティア団体「いっぽん」のお話
今回は、北海道胆振東部地震を機に、一般社団法人いっぽんというボランティア団体を立ち上げた佐久間さんにお話を伺いましたので、ご紹介させていただきます。
◆動かずにはいられなかった
佐久間さんは、普段は視覚障害者の支援活動を行っているため、地震の直後は、近隣の視覚障害者宅をまわり、水やバッテリ-他、必要なものを届けにまわっていたそうです。
9/10には、それぞれの家にあるちょっとしたものでも、集めてちゃんと仕分けをすればまとまった支援物資になると、支援物資を募集し、仲間と仕分けをして段ボールに詰め、安平町 追分にある、おいわけ子ども園とむかわ町役場へ届けました。
集まった物資は、
・割り箸 9,810膳
・スプーン 2,020本
・容器 1,350個
◆ボランティア団体「いっぽん」の立ち上げ
以前から個人的に東北ツアーを組んだり、2年前の南富良野の災害でのボランティア活動などを行っていた佐久間さんの様子をSNSなどで見ていたまわりの人から、様々な期待や支援金が集まりはじめます。
期待されているならと立ち上げたのが「いっぽん」。
家にある一本の箸でも被災された方へ気持ちを届けることができるとの思いからそう名付けたそうです。
9/15に団体を立ち上げ、役場と相談しながら正式にボランティア活動ができるよう10/1には法人登記を。その後、要請があった保育園での炊き出しを行ったり、追分の避難所から1分の場所にある法養寺でマッサージボランティアを行ったり、札幌でも毎月地震が発生した6日に、それぞれが地震で体験した教訓を持ち寄って共有する「防災ご善」を開催したり、様々な活動を続けています。
中でも毎週末に行ってきたボランティアマッサージは、のべ194名が利用(2018年11月27日現在)、避難所にいる方も、仮設住宅の方も、自宅にいる方も、誰でもが来られるお寺での開催ということもあり、コミュにティの場としても機能しているそう。
地震から1ヶ月くらい経ったころから、心の中に溜まっていた怖い体験や今感じているストレス、日常のたわいもない会話など、被災者のみなさんが少しずつ語り始めたそうで、身体だけではなく心のケアにも役立っています。
◆いつかこれまで以上に強い地域のコミュニティが生まれることを願って
ボランティアスタッフにもそれぞれの生活があったり、これから冬を迎えることもあり、マッサージボランティアの回数は減らしていく予定ですが、現地に行くからこそわかること、感じられることがたくさんあり、そういったものを今後も伝えていきたいと佐久間さんは語ります。
ここまで活動をしてみて、日々変わる現地の状況により求められるものも変わっていく、昨日必要だったものが今日は必要がなくなったり、例えばこれからの季節は雪かきのボランティアが必要になるかもしれない、状況も心の傷もひとりひとり違う、ボランティアにできることは何か?どこまで関わってよいのか?悩みながら活動を続ける佐久間さんですが、いつか住民同士のコミュニティが生まれてお互いに助け合ったり、外の人の助けを借りなくてもいいような、今まで以上に繋がりの強い地域になってくれることを願っていますと、締めくくってくれました。
◎一般社団法人いっぽん
ippon@sunabi.net
ことづてプロジェクトでは、現地の状況や現地で活動している人たちの様子を発信しながら、
今後もわたしたちにできることを続けていきます。